柔らかくてきめ細かな子どもの肌。特に赤ちゃんのお肌はプルプル、もちもちで思わず触りたくなってしまうほど。
そんな子どもの肌は、とってもデリケートで乾燥しやすいことをご存じですか?
今回は、子どもの肌の特徴と、様々な肌トラブルを招く原因である乾燥から、デリケートな子どもの肌を健やかに保つために気を付けるポイントをご紹介していきます。
Index
子どもの肌の特徴・大人と子どもの肌の違いとは?
<子どもの肌の特徴>
① 皮膚の厚さは大人のたったの半分!
大人の皮膚は平均で2mmほどの厚さがあるのに対し、赤ちゃんの皮膚の厚さは約1mm。大人の半分ほどしかありません。
② 赤ちゃんは暑がりでとっても汗っかき!
小さな赤ちゃんの体には、なんと大人と同じ数の汗腺があります。
体の大きさから考えると、大人の6~7倍もの汗腺が存在していることになるため、赤ちゃんは大人の約2~3倍ほどのたくさんの汗をかきます。
汗をかいたままにしておくと、汗疹(あせも)や肌トラブルを起こすこともあるので、注意が必要です。
③ 子どもの肌は未成熟!乾燥しやすく肌トラブルを起こしやすい!
私たちの皮膚は、天然のクリームと呼ばれる「皮脂膜」と「角質層」がバリア機能となって、肌を乾燥や外部刺激から守り、肌に適度なうるおいを保ってくれています。
しかし、子どもの肌はまだ成長途中。肌が未成熟のため、皮脂膜も安定していません。
角質層の厚みは、大人でも平均でわずか約0.02ミリ程度と食用品ラップほどの厚さしかないのですが、子どもは、大人の半分~3分の1程度ととても薄く繊細です。
子どもの肌はなぜ乾燥しやすいのか?
肌のうるおいには、「皮脂膜」が大きく関係しています。
前述したように、肌が成熟していない子どもは、角質層の表面を覆っている皮脂膜を形成する皮脂分泌量が、成長の時期によって変化します。
生まれてから生後3か月頃までは、お母さんの女性ホルモンが作用し皮脂分泌が盛んですが、生後3か月以降、子ども自身の女性ホルモンが活発になる思春期頃までは安定しないのです。
角質層が薄く、皮脂分泌が少ない子どもの肌は、水分をうまく保つことが出来ずに乾燥しやすい状態です。
大人と比べ、些細なことで肌トラブルを起こしやすく、外部刺激に対する抵抗力も弱くなり、乾燥肌を放っておくと肌トラブルに繋がってしまうことがあります。
〔乾燥とアトピー性皮膚炎の関係〕~ 子どもの肌に保湿が大切な理由 ~
子どもの乾燥肌を放置してしまうと、肌のかゆみや炎症が悪化してしまう可能性があります。
赤ちゃんや子どもは、肌のかゆみなどを我慢することはできません。かゆみがある部分をかきむしってしまい、肌を傷つけてしまうと、さらに症状が悪化してしまいます。
\子どもの肌ケアが大切な理由/
子どもの頃からの肌ケアが大切だといわれる理由があります。
実は、新生児期の早い内から肌を保湿することで、アトピー性皮膚炎の発症率が3割低くなることが、国立成育医療研究センターの研究で明らかになっています。
肌の乾燥はアトピー性皮膚炎の発症に繋がる可能性があるのです。
参考:国立成育医療研究センター
→<https://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic141001-1.html>
アトピー性皮膚炎は、皮膚に強いかゆみや発疹が出る皮膚の病気です。
アトピー性皮膚炎を発症するメカニズムについては解明されていないこともありますが、バリア機能が低下し、肌が乾燥している状態の所に、ダニやホコリ・食べ物などのアレルゲンが侵入したり、精神的なストレスが加わることで引き起こされると考えられています。
一般的に、アトピー性皮膚炎が発症しやすいのは、「生後3か月前後」と「1歳半~3歳」といわれています。
乳幼児期に発症し、成長とともに治まるケースが多いのですが、大人になってもなかなか治らなかったり、思春期や大人になってから発症したりするケースもあります。
デリケートな子どもの肌を乾燥から守ってあげるためにも、
早い時期からの保湿ケアが大切です。
子どもに起こりがちな肌トラブル
肌が未熟な赤ちゃんや子どもは、アトピー以外にも様々な肌トラブルを起こしやすくなります。
1. おむつかぶれ
おむつかぶれは、尿や便が長く触れることで肌の刺激となったり、おむつ自体の刺激、ムレや擦れたりすることで肌に炎症が起きます。お肌の弱い赤ちゃんはおしりが赤くただれたり、湿疹が出来たり、肌がかぶれてしまいます。
2. 汗疹(あせも)
あせもは、高温多湿のもとで発症しやすく、赤いブツブツができるのが特徴です。
夏にあせもが出来る方も多いのではないでしょうか。体の中でも、特に首や腕、足の関節部分にできやすく、胸や背中など体の広い範囲に出来るケースもあります。
汗っかきの赤ちゃんは冬も注意が必要です。
小さな体の赤ちゃんですが、汗腺の数は大人と同じ数があります。冬場は厚着になりやすいため、気付いた時には服の中がビショビショになっている可能性も…。
3. 乾燥性疾患
?肌の乾燥
子どもの皮膚はバリア機能が成熟していないため、乾燥しやすい状態にあります。
特に秋~冬にかけては肌が乾燥しやすく、暑い季節でも紫外線や日焼け、エアコンなどにより、乾燥肌を招きやすいため1年を通して注意が必要です。
また、子どもは汗をかきやすいため、一見肌はしっとりとうるおっているように見えますが、子どもは皮脂をバランスよく作ることが出来ず、肌が乾燥しやすい状態です。
汗をかいたあとは、汗が蒸発するときに肌の必要な水分も一緒に逃げてしまうため、肌の乾燥を招きやすくなります。
?乾燥性湿疹
保湿ケアをしても、なかなか症状が治らない場合は、乾燥性湿疹になっているかもしれません。
<乾燥性湿疹の症状>
・皮膚が白く粉をふく
・ブツブツとした湿疹ができる
・皮膚に赤みとかゆみを伴う
・皮膚にシワが出来る
・皮膚がひび割れる
乾燥した肌は、うるおいがどんどん失われていきます。
症状が進行し、かゆみや湿疹が悪化すると皮膚科医のお薬でないと治りません。
そうならないためにも、日頃から肌の保湿を気にかけてあげることが大切なのです。
*ママ、パパが出来る子供の肌ケア*
乾燥から子どもの肌を守るためには「洗う」&「保湿」のスキンケアが大切です。
ママ、パパがお家でも出来る肌ケアのポイントをご紹介いたします。
*・肌ケアのPOINT ・*
1. 肌を清潔に
まずは、お肌についた汚れや汗をお風呂できちんと落として、清潔な状態にしてあげましょう。
洗うときは、ガーゼやタオルなどを使う必要はありません。
たっぷりの泡で優しく、手で撫でるように洗ってあげましょう。
また、おむつかぶれを防ぐためにも、おむつの状態をこまめにチェックしてあげて。
おしりを拭いてあげるときもごしごしと擦ってしまうと、お肌の刺激となってしまいます。お湯で優しく流してあげるか、そっと拭いてあげましょう。
\\赤ちゃんの体を洗う時のPOINT//
わきの下や足の付け根など、くびれた部分には汚れが残りやすいので丁寧に洗ってあげてください。
垢がたまりやすい耳の後ろや、皮脂の多い頭皮もきれいにしてあげましょう。
最後は洗浄料が残らないよう、丁寧にすすぎましょう。
2. こまめな保湿ケア
大切なのは、子どもの「乾燥肌サイン」を見逃さないこと。
うるおっている肌は、触れた時に肌が吸い付くようにしっとりしている状態です。子どもの肌が“サラサラ”していたり、頬が赤く“リンゴほっぺ”のようになっていたら、肌が乾燥しているサインかも。
皮膚が乾燥してカサカサの状態になると、かゆみを伴います。
肌をかき崩してしまわないよう、保湿クリームで肌ケアをしてあげることが大切です。
肌のバリア機能は、思春期を迎える10~14歳の頃には安定するものと考えられていますが、子どもが自分で肌の保湿を気にすることは難しいですよね。学童期までは、日頃からママやパパが気にかけてあげましょう。
特に、湿度が低下する秋冬は気を付けて。朝晩だけでなく、日中もこまめな保湿ケアをしてあげてください。
\入浴後の保湿ケア/
入浴後は、なるべく早めに、皮膚がしっとりしている5分以内に保湿剤を塗っていきます。
手でそっとなでるように、優しく広げていきます。すりこむと刺激になってしまうので注意してくださいね。
顔の目、鼻、口、耳のまわり、あごの下、首のくびれや関節のしわの間にもしっかり塗ってあげましょう。
3. 汗をかいていないか洋服の中をCHECK!
赤ちゃんは汗っかき。服の中に手を入れて、汗でビショビショになっていないかチェックしてあげて。
汗をかいたままにしてしまうと、汗が蒸発する時に肌の必要な水分まで奪ってしまうので、肌が乾燥してしまいます。汗の成分が刺激となって、肌トラブルを起こしてしまうことも。
寒い季節でもあまり厚着になりすぎないように、また、赤ちゃんが汗をかいた時はこまめなふき取りや、服を取り換えてあげることも大切です。
体をキレイに洗って、スキンケアでデリケートな肌を健やかな状態に保ってあげましょう。
4. お風呂の温度はぬるめの38~40℃
角質層が薄く、肌が弱い赤ちゃんに熱いお湯は厳禁。
少しぬるめの温度に設定してあげるのがベストです。
また、赤ちゃんのバスタイムは、15分ほどが目安とされています。
入浴は短時間に終えてあげましょう。
大人も同じですが、熱いお湯に長く浸かっていると、肌の保湿成分が外に流れ出て行ってしまい、乾燥肌を招く原因となってしまいます。
\\プラスのPOINTケア//
・.こまめな水分補給も忘れずに.・
外からの保湿だけでなく、水分補給も大切です。体内の水分不足はお肌の乾燥にも繋がってしまいます。寒い季節は喉の渇きにも気づきづらくなりますが、肌と同じように体内も水分不足になりやすくなります。
水や白湯など、こまめな水分補給を心がけてあげましょう。
・.爪は短く切ってあげましょう.・
子どもが肌をかいてしまう前に、かゆみ止めなどで症状を和らげてあげるのも大切ですが、子どもはかゆみを我慢できません。肌を傷つけないよう、爪を短く切ってあげることも大切ですよ。
\親子のスキンシップを大切に♪/
親子で触れ合う時間は、スキンシップだけでなく、子どもの小さな変化に気づくことの出来る大切な時間。
スキンシップでぬくもりを感じながら、出来るだけ子どもの肌サインに気付いてあげたいですね。
繊細な子どもの肌を守ってあげるためにも、おうちで出来る肌ケアを.・*